そば打ちイベント開催!!
@市原デイ 2013年11月16日


11月12日(火)先勝(→午前中に用事を済ますのが良いという日)、すばらしい秋晴れ(日本晴れ!)。この日、外は結構寒くなり、空気が澄んできたことを感じ取ることが出来ました。

 

本日は待ちに待ったデイサービス行事【そば打ちイベント】の日。職員の間でも評判で、合言葉は「そばまつり」。ひそかに楽しみにしていました。当日はそば職人の方が4名おいでになり、デイサービスホールは、さながら『料○の鉄○』のキッチンスタジアムといった雰囲気です。

進行役の職員Tさんは、父親の甚平を着て襷(たすき)掛けをし、手拭いを姉さん被りにした、いかにもと言った出で立ち。きまっています。

 

さぁ、スタートです。まずはそばの実からそば粉にしたものに、小麦粉を混ぜていきます。そば粉:小麦粉=8:2のいわゆる『二八そば』です。その後、直径50cmはあろうかという朱色の器に少しずつ水を加え、その水分を手でならして、そば粉・小麦粉・水分を均一にしていきます(→“水回し”という工程)。

 

本日は、北海道の中心(よりやや左側)に位置する旭川の近くにある江丹別(えたんべつ)産のそば粉を使っています。この土地は、夏場の気温は35度で、冬場は-36度と、日本国内でもとても寒暖差が激しい場所であり、このような気候にある江丹別のそばは品質がとても良いという事であります(北海道内ではとても知名度が高く、東京の一流そば屋でもこの江丹別産のそば粉を使っているとのこと)。期待が高まります。

 

 

水回しを行ったそば粉を手で捏(こ)ね、丸い座布団(直径30cm強・厚みが3~4cm)みたいな形にし、それを丸棒で延ばしていきます。けっこう薄く(1mmくらい)、約90cm四方くらいの敷物みたいなものにしていきます(→“のし”という工程)。さすがです。それを6枚に折りたたんで包丁で細かく切り(1mmくらい)麺にしていきます。まさに職人の仕事という感じで、その所作・手際の良さが際立っています。その作業を見ているご利用者様も見とれており(→後でわかったことですが、見とれていたのではなかったようです)、先勝のほぼ午前中一杯、すごい集中力で職人さん達の仕事ぶりに見入っていました。その光景は、率直に言うと違和感を感じるほどでした。たいていの行事では、「やりたくない/聞きたくない/うるさい/関係ない」という方が数名おり、またトイレに立つ方・動き出す方が居るのが通常であります。ところが、約40名強の方々が本当に集中し、誰も立たず、トイレにも行かず、席に座ってご覧になっているのです。

 

 

 

確かに、普段のリハビリの効果か?だいぶ集中して小集団リハ・機能訓練にも参加出来てはいるけど・・・今日のはとても高齢者(それも後期高齢者)の集団ではないナと感じるほどでした。この理由は、あとでわかるのですが・・・。

 

さて、麺の形になったものを一度厨房へ戻し、そこで茹でてもりそばとして完成です。そばには大根おろしやゆずが入り、何とも食欲をそそります。職人さん達の配慮とセンター長・相談員の好意で職員にもそばが振る舞われ、美味しくいただきました。無論、手打ちですから、当たり前ですが微妙に麺の太さが違ったりして、それが口の中を刺激し、また何とも言えぬ食感を醸し出しています。麺もしっかりしており、麺の美味さが感じられました。ご利用者様からも「温かいそばにしてほしい(→スミマセン、厨房内の設備上、難しかったみたいです)」、「おなかいっぱいです(→良かったです)」といった声が聞かれました。中には、「このそばつゆ(=余ったもの)を今日の晩御飯にもらえないか?」という方もいらっしゃいました。

 

そして一番多かった声、「なつかしかったです」(→「なつかしい味」ではないんですね)。職人さん達が作業をしている姿そのものが、なつかしい姿だったのです。それは、かつてご利用者様が子供の頃や幼少の頃、“自分の母親がそばを作っている姿”、これを職人さんの中に重ねていたのです。あの正直(ちょっと)異様とも思えた午前中の光景は、ご利用者様の心の中に、幼かった頃の記憶を呼び戻した結果だったのです。幼い頃に見た母親の姿をご利用者様は見ていたのでしょう(これぞ、『回想そば』、ウマイ!)。

 

そんなプラスαも加わり、「そばまつり」は無事終了しました。相談員いわく、「お年とられた方は、“食のイベント”が楽しみですネ」と自信を深めていました。センター長、次回はお寿司でお願いしま~す!!

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