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介護サービスの種類とメリット。自己負担額が増えるケースとは?

介護が必要になった高齢者を社会全体で支える介護サービスの普及が進んでいます。高齢の親族に介護が必要になったとき、家族介護だけでは介護する側に心身の負担が大きくなってしまいます。
高齢化社会を迎えて、介護サービスを効果的に利用することは国民全体のテーマになっているといえるでしょう。
介護サービスには、要介護の度合いや、サービスを受ける場所を自宅にするか施設にするかなどによって、さまざまな種類があります。
この記事では、状況に応じて介護サービスを適切に利用できるよう、介護サービスの種類や特徴を詳しくご紹介します。

介護サービスの種類イメージ1

介護サービスとは?

介護サービスとは、介護を必要とする人が利用できるサービスです。
介護が必要かどうかは、市町村の窓口に申請して、自宅に訪問調査をしてもらい、介護認定審査会によって要介護(1~5)、要支援(1~2)のどの段階に該当するかが判定されると、認定されます。
その後、ケアマネージャー(介護支援専門員)に介護サービス計画書(ケアプラン)を作成してもらい、ケアプランに沿った必要な介護サービスを受けられるようになります。

介護サービスを利用すると介護保険が適用されます。介護サービス利用料のうち利用者の負担は1割から2割で、負担額は収入によって変わります。ケアプランの作成自体は、利用者の負担はありません。

介護サービスの3つの種類

要介護の認定を受けた人が利用できる介護サービスには、大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つの種類があります。
一方、「要支援」の場合は、施設を利用できるサービスは限定的となりますが、居宅サービスについては共通しています。

居宅サービスとは、在宅生活の被介護者に対し、訪問介護員(ホームヘルパー)などが居宅を訪問して行うサービスです。ほかには、「デイサービス」や「ショートステイ」などがあり、家族が仕事や旅行などで一時的に介護に当たれないときに、被介護者が施設へ出向いて短期間介護を受けるサービスも含まれます。

施設サービスとは、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(2017年度末で廃止)で行われるサービスです。

地域密着型サービスとは、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護をはじめ、認知症高齢者を対象とするグループホームなど、日常生活圏を離れずに自立した生活ができるよう支援するサービスです。

いずれの場合も費用は要介護度や施設のタイプによって変わります。

次にこの3つの介護サービスの内容を詳しくお伝えします。

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居宅サービスの種類と特徴

居宅サービスは主に訪問サービス(ホームヘルプ)、通所サービス(デイサービス)、短期入所サービス(ショートステイ)にカテゴリ分けされます。それぞれのカテゴリ内でまたサービスが分かれていて、全部で12種類あります。

訪問サービス

訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導があります。

・訪問介護
介護福祉士やホームペルパーと呼ばれる訪問介護員が居宅を訪問して提供するサービスです。利用者ができるだけ自立した生活が送れるように支援するのが目的です。内容は、排泄、おむつ交換、体の清拭(せいしき)、自宅の風呂での入浴などの身体介護、買い物や料理、洗濯などの生活援助です。

・訪問入浴介護
入浴専用車両が居宅を訪問し、介護職員と看護師が対応して入浴を介助します。入浴専用車両は湯沸かし装置を持ち浴槽を積んだ車両で、浴槽を部屋に運び込んで介助します。利用者の体を清潔に保ち、床ずれや便秘の解消に役立つほか、精神をリラックスさせる効果があります。入浴前後の体調に変化がないか、バイタルチェックも行います。

・訪問看護
医師の指示に基づいて看護師などが居宅を訪問して行います。病気やケガをしている利用者が自宅など住み慣れた場所で療養生活を送れるようにするのが目的です。内容は、傷の手当てのほか、人工肛門や人工膀胱の管理、点滴の管理、人工呼吸器の管理など医療に属する行為です。

・訪問リハビリテーション
主治医の指示のもと、理学療法士、または作業療法士が居宅を訪問し、起き上がりや歩行などの基本動作、体操などの応用動作を通じてリハビリを行うものです。食事、着替え、トイレが自分でできるように支援します。

・居宅療養管理指導
医師や看護師が定期的に居宅を訪問し、療養上の管理・指導をするサービスです。風邪にかかりやすい人、むし歯のある人などの相談に乗り、指導を行います。

通所サービス

通所サービスには、「デイサービス」と呼ばれる通所介護と、「デイケア」と呼ばれる通所リハビリテーションがあります。

・通所介護
日中に居宅からデイサービスセンターに利用者を送迎し、介護職員の支援によって食事、入浴、リハビリテーション、レクリエーションなどを行います。生活支援にとどまらず、引きこもりがちな利用者の孤独感を解消し、介護に関わる家族の負担を軽減することが目的です。夕方には再び居宅へ送られます。

・通所リハビリテーション
日中の送迎によって介護老人保健施設、老人病院などに通い、リハビリテーションを受けるサービスです。利用者が自立した日常生活ができるよう支援します。

短期入所サービス

「短期入所生活介護
と「短期入所療養介護
に分かれ、どちらも「ショートステイ
と呼ばれます。いずれも利用者を数日から2週間程度施設で預かり、介護サービスを提供します。普段は同居している家族が家を空けなければならなくなったとき、家族が病気になって介護ができないときなど短期間の利用に適します。

両者の違いは、短期入所生活介護は特別養護老人ホームなど福祉施設に入所して生活介護や機能訓練を受けるのに対し、短期入所療養介護は介護老人保健施設、老人病院など医療施設に入所して、医療管理の下で治療や機能訓練などを受けることです。

このほか居宅サービスには、杖、車いす、歩行器などの福祉用具をレンタルできる「福祉用具貸与」、便器、入浴用のいす、特殊尿器などを購入できる「特定福祉用具販売」、介護サービス付きの有料老人ホームなどが生活支援や機能訓練サービスを提供する「特定施設入居者生活介護」があります。

施設サービスの種類と特徴

施設サービスには、介護老人福祉施設サービス、介護老人保健施設サービス、介護療養型医療施設サービスの3種類があります。
利用者はいずれの施設においても24時間体制で見守られて介護を受けることができます。

介護老人福祉施設サービス

介護老人福祉施設は「特別養護老人ホーム」とも呼ばれ、入所は原則として要介護度3以上の利用者に限られています。日常生活の介助やリハビリを通して、個性を尊重しながら自立した生活ができるよう介護職員や看護師が対応します。入居の際の一時金が不要で、長期の入所が可能です。

介護老人保健施設サービス

介護老人保健施設(老健)において、医療管理下で看護、介護、回復期リハビリテーションを受けられます。特別養護老人ホームと同様に入所の一時金は不要です。あくまで在宅復帰を前提としたサービスであり、3カ月をもって退所することが原則です。

介護療養型医療施設サービス

介護療養型医療施設(介護保険適用老人病院)における介護サービスですが、2017年度末には介護老人保健施設への転換に伴い廃止が予定されています。

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地域密着型サービスの種類と特徴

居宅サービスと施設サービスの中間的な考え方で、居宅・通所・入所のサービスを兼ね備えています。ただし「地域密着型」だけに、自分が住んでいる地域で提供されるサービスは受けられますが、隣の市町村にある介護施設のサービスは原則として受けられません。
地域密着型サービスの種類は主に次の9種類です。

小規模多機能型居宅介護

施設への通い、短期間の宿泊、居宅への訪問を組み合わせて行う介護です。利用者ができるだけ自立した生活が送れるよう支援します。

夜間対応型訪問介護

「定期巡回」と「随時対応」の2つがあります。定期巡回では、夜間帯に訪問介護員が利用者の居宅を訪問して、おむつ交換などの介助を行います。
随時対応とは、夜中に急に体調が悪くなったときなどに訪問介護員を呼んで介助を受けるサービスです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

24時間・365日、訪問介護員と看護師が利用者の居宅を定期的に巡回するほか、随時通報にも対応するサービスです。介護と看護が一体となった支援を受けることができます。

認知症対応型通所介護

認知症の高齢者が通所施設に通って、日常生活での支援や機能訓練を受けるサービスです。引きこもりがちな利用者の精神的・肉体的なケアを行います。

認知症対応型共同生活介護

5~9人の認知症の利用者がグループホームで一緒に生活し、日常生活での支援や機能訓練を受けるサービスです。

地域密着型特定施設入居者生活介護

指定を受けた入居定員30人未満の有料老人ホームや軽費老人ホームで、日常生活での支援や機能訓練を受けるサービスです。

地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護

常に介護を必要とする人を入所定員30人未満の特別養護老人ホームに受け入れ、食事や入浴など日常生活での支援や機能訓練、療養上の世話などを行うサービスです。

看護小規模多機能型居宅介護

訪問看護と小規模多機能型居宅介護を組み合わせたサービスです。日常生活での支援や機能訓練のほか、療養生活を送るための看護も行われます。

地域密着型通所介護

定員18人以下のデイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活での支援や機能訓練といったサービスを日帰りで受けるものです。基本的に施設は利用者を居宅から施設まで送迎します。

実情に応じたケアプランで介護サービスの効果的な活用を

今回は介護サービスを3つに分類し、各種サービスの概要をご紹介しました。3つのサービスにはそれぞれメリットがあります。
例えば、居宅サービスのメリットは、自宅で家族と生活しながら、必要に応じて介護サービスを利用できる点です。
また、施設サービスのメリットは、家族が常に一緒にいられない場合でも、施設において専門家のケアが受けられる点です。
地域密着型サービスのメリットは、在宅と施設の両方でサービスが受けられ、地域の事情に合わせた手厚い介護を受けられる点です。
それぞれのメリットと費用を考えつつ、要介護度、利用者の希望、家庭の事情などを踏まえたケアプランを作成した上で、介護サービスを選択するのが良いでしょう。

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※本記事の内容は、公的機関の掲出物ではありません。記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の情報を保証するものではございません。

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