高齢者向けのレクリエーション決定版!楽しくて脳と体が生き生き
高齢者施設やデイサービスでは、施設利用者のことを考えたレクリエーションが盛んに行われています。レクリエーションを通して体を動かすと、運動不足とストレスが解消され、利用者の表情が生き生きしてくるのを感じられるでしょう。
では、利用者に喜ばれるレクリエーションとはどんなものでしょうか。今回は高齢者向けレクリエーションの種類や目的、提供する側のスタッフが心がけるべきポイントについて詳しくお伝えします。
目次
レクリエーションが高齢者におすすめの理由
高齢者施設やデイサービスが実施しているレクリエーションには、さまざまな目的があります。ぜひ知っておいてください。
他者とのコミュニケーションを促進する
高齢になると、体の機能や体力が衰えるので、外出することを億劫に感じる人がいます。特に一人暮らしをしている高齢者は、意識して外に出ようとしないと、人と触れ合う機会があまりありません。
その状態が続いて、引きこもりや老人性うつになってしまう人もいます。
レクリエーションに出かければ、仲間がいます。仲間と同じ時間を過ごすことが楽しみになれば老人性うつにもかかりにくくなりますし、引きこもりの回避にもつながります。
脳を活性化する
手先や体、言葉を使うレクリエーションを行えば、脳の活性化につながります。レクリエーションの動きや内容が、普段は使わない脳の部位を刺激すると考えられるからです。その結果、認知症の予防や症状の進行を遅らせる効果が期待されます。
身体機能を向上させる
適度に体を動かすことで、高齢者の身体機能の向上を図る目的もあります。
年齢とともに筋力や体力が衰え、運動量が減ってしまうのは、仕方のないことです。だからこそ意識して体を動かすようにしないとさらに機能が退化し、要介護度が進んでしまいます。
レクリエーションを楽しみながら無理なく体を動かせば、身体機能を向上させ、健康を維持することもできるでしょう。
生活の質(QOL)を高める
コミュニケーション、脳の活性化、身体機能の向上は、トータルで生活の質を高めます。
仲間と過ごす時間を心待ちにする気持ちが日々を過ごす張り合いになり、誰かと話をすることはストレス解消につながります。感情が安定し、介護者の負担も軽減するでしょう。
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脳を使うレクリエーション
ここからは、実際に高齢者施設などで行われているレクリエーションをご紹介します。初めに、脳の活性化につながると期待されているレクリエーションです。
ポイント
レクリエーションで、脳の活性化を促します。場所を取らず、ひとりでできるものもありますので、家庭でも取り入れてみてください。
手先や指先を使うレクリエーション
脳に関する研究は、近年盛んに行われていますが、指先を動かして使うと脳を刺激して活性化させる効果があるといわれます。中でも人気があり、よく取り入れられているレクリエーションは次の5つです。
・物作り
物作りは、指先を動かすことにプラスして「達成感が得られる」という効果があります。
定番は、針と糸を使った小物手芸や簡単な裁縫、ハサミやノリなどを使った工作、混ぜたりこねたりする料理やお菓子作りなど。出来上がった作品は施設内に飾ることもできますし、家族にプレゼントするという利用法もあります。手作りしたお菓子を囲んでのおやつタイムは、和みのひとときの演出にもぴったりです。
・折り紙
日本の伝統文化ともいわれる折り紙は、細かく指先を動かすことのできる遊びです。馴染みのある高齢者が多く、取り組みやすい点もポイント。季節に合わせた作品を作り、室内装飾に利用している施設もあります。
・おはじきやビー玉、お手玉
童心に帰ることができ、なおかつ指先を使う昔ながらの遊びが、おはじき、ビー玉、お手玉。難しいルールにせず、誰もが楽しめるようにすることがポイントです。
・塗り絵
塗り絵は、指や手を動かすだけでなく、形を認識する、配色を考えて色鉛筆を選ぶ際に脳を使うレクリエーションです。絵を描くのは難しくても、塗り絵なら大丈夫でしょう。思いのままに楽しむことができます。
・指を使った体操や遊び
座ったままできて、道具を必要としないのが、指を使った体操や遊びです。
両手をパーの形に開いて号令に合わせて1本1本指を曲げたり、曲げるスピードを速くしたり、イレギュラーな動きを取り入れたりと、変化をつけると良いでしょう。
「おせんべやけたかな」「ずいずいずっころばし」「お寺の和尚さん」といった言葉や歌を交えた手遊びもおすすめです。
クイズ・脳トレ
考えることで脳を刺激するレクリエーションの代表が、クイズや脳トレです。
・しりとり
前の人が言った言葉を覚え、その最後の文字から始まる言葉を思い出すことが脳のトレーニングにつながるレクリエーションです。「3文字の言葉限定」「地名限定」「食べ物限定」など、参加者の状況を見ながらルールに変化を持たせると飽きずに楽しめます。
・言葉遊び
よく知られている言葉遊びのひとつが「なぞなぞ」です。問いかけに想像力を働かせて答えを探すことで頭の体操になります。
ほかにも、言葉遊びはアイデア次第。例えば、「あ」「い」「う」...「ん」と、ひらがなを1文字ずつ書いたカードを用意し、それらを組み合わせて何かの名前(花や木、動物など)をできるだけ多く作るというゲームなら、グループ対抗戦でも楽しめます。
・かるた、百人一首
多くの人が一度は経験している遊びです。「読み上げの声を耳で聞く」「取るカードを判断する」「カードを探す」「見つけたカードを取る」という行動が脳に良い刺激になります。
・トランプ
カードを記憶したり作戦を考えたり、1組のトランプがあれば、まったく違った角度から脳を働かせることができます。中でも、ルールもやり方も簡単なわりには、記憶力が必要な「神経衰弱」は、老人福祉施設でよく行われる遊びです。
体を動かすレクリエーション
体を動かすレクリエーションは、リハビリにも効果的です。高齢者でも無理なく参加できるレクリエーションをご紹介します。
ポイント
高齢者にとって積極的に体を動かす機会があることは、とても大切です。身体機能の維持と向上、リハビリだけでなく、ストレス解消にも役立ちます。
ジェスチャー伝達ゲーム
グループに分かれて、出されたお題をジェスチャーで次の人に伝えていくゲームです。面白い動きができるネタをお題として集めておくと、盛り上がります。
お題がわかっているのは、1番目の人だけ。後の人はすべてジェスチャーを頼りに判断して伝え、最後の人が、出されたお題が何であるかを推理して答えます。ただ体を動かすだけでなく、観察するという行為が体と脳をリフレッシュさせます。
風船を使ったゲーム
軽くて、ケガの心配もなく、ふんわりゆっくり飛んでいく風船や紙風船は、ボールの代わりになります。ここではテニス、バスケットボール、キャッチボールに見立てたゲームをご紹介しますが、アイデア次第でさらにいろいろな球技ができるでしょう。
・風船テニス
うちわや折りたたんだ新聞紙を使って風船を打ち合うゲームです。座ったままでも参加できますし、5対5程度のチーム戦にしても面白いでしょう。参加者の要介護度など、状況に合わせてルールを設定することで、運動が苦手な人でも楽しめます。
・風船バスケット
大きめの箱やカゴをゴールとして用意し、少し離れたところから風船を投げるゲームです。カゴの大きさを変えたり、投げる距離を変えたりと、アレンジも自由自在です。
・風船キャッチボール
パス回しのようなイメージで、風船を投げてキャッチすることを繰り返します。人数が多くても少なくても、チームに分かれても分かれなくても、フレキシブルに実施できる点が魅力です。
じゃんけん
指の運動にもなる「じゃんけん」に腕の動きをプラスすると、上半身の運動になります。
例えば、スタッフひとり対参加者全員で「じゃんけん」をし、スタッフに勝った人はバンザイ、負けた人は泣きまねをするというルールの「じゃんけん」があります。大きな声で「バンザイ」「エーン」と、動作に合わせた声を出すと盛り上がるでしょう。
その他、スタッフが出したじゃんけんに勝つように出す「後出しじゃんけん」や、両手を使うじゃんけんなど、バリエーションは多彩です。
グーパー運動
介護の現場でよく行われる、グーパー運動(グーパー体操とも)。基本は、左右の手をグーとパーの形に交互に動かすことですが、さらに腕の動きをつけると面白くなります。
例えば、グーは肘を曲げて胸のあたりで握り、パーは腕を伸ばして押し出すようにする動きを左右交互に繰り返す方法。途中で拍手を入れたりすると、難易度を上げられます。
ラジオ体操
ラジオ体操は、わずか3分間で、効果的に体を動かせるように考えられた運動です。ストレッチの動きもあり、座ったまま上半身だけを動かすこともできます。音楽に合わせ、その人なりのやり方で取り組める点がうれしい体操です。
歌うこと
心肺機能を高め、ストレス発散もできるのが、歌うことです。歌に簡単な振りをつければ、体を動かすことにもつながります。
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リラックスするためのレクリエーション
脳の活性化や身体機能のためだけではなく、リラックスするためのレクリエーションも介護の現場では取り入れられています。
ポイント
体力の衰えによる不安のほか、よく眠れない、何もすることがないなど、高齢者はさまざまなストレスを抱えています。そんな状況を和らげるのが、リラックスするためのレクリエーションです。
ハンドマッサージ
相手の手を取り、指や手のひらを優しく揉みほぐしていく――本格的なマッサージではなく、スキンシップ重視のハンドマッサージです。指先の血行が良くなれば手が温まり、緊張感も緩みます。
深呼吸
深呼吸のリラックス効果は、医学的にも認められています。背骨が曲がってきている高齢者は、呼吸が浅くなりがち。ゆっくり吸ってゆっくり吐くことを誘導することで、気持ちも落ち着いてきます。
音楽を流す
「音楽療法」という言葉があるように、音楽が人を癒す力についても研究が進み、効果が認められています。ゆったりした音楽、昔なじんだ音楽を流しておくだけでも、高齢者にとっては安らぎになります。
動物と触れ合う
動物と触れ合うことで精神的な安らぎをもたらす手法は「アニマルセラピー」として知られています。医学的な効果も明らかになりつつあり、取り入れている現場も増えています。介護施設で犬や猫を飼うケースもあれば、専門業者の出張サービスを利用して触れ合うケースもあります。
高齢者にレクリエーションを楽しんでもらうためのポイント
高齢者のレクリエーションは、ただ実施すれば良いというものではありません。楽しんでもらうために心がけるべきポイントをご紹介します。
好みや個性を把握する
歌うことが好きな人もいれば、体を動かすことが好きな人もいるし、物作りが好きな人もいるでしょう。集団で活動することを求める人もいれば、ひとりで何かをしたい人もいますし、認知症の高齢者にも好みはあります。
「高齢者」「認知症」とひとくくりにせず、ひとりでも多くの人が参加できるようにレクリエーションの内容を偏らせない配慮をしましょう。
対戦式のゲームはルールをゆるやかに
対戦式のゲームは、ルールをゆるやかにする気配りも必要です。レクリエーションの目的は、勝敗を決めることではありません。難しいルール、厳しいペナルティがあったのでは、やる気も失せるというものです。
参加すること自体が楽しくなるようなルールで、勝っても負けても充実した時間の提供を目指しましょう。
個人戦は避ける
1対1の勝負はなるべく避けましょう。負けた人のプライドが傷つき、トラブルに発展するおそれもあります。
チーム戦で競えば、勝ってうれしい気持ちも負けて残念な気持ちも共有できて、コミュニケーションを深められます。
進行役は大きな声ではっきりと話す
大きな声ではっきりわかりやすく話すことは、聴力が低下している高齢者への思いやりです。さらに、身振り手振りを加えると、よりわかりやすくなるでしょう。
敬意を忘れない
人生の先輩である高齢者への敬意を忘れずに接することは、レクリエーションの場面に限らず、基本的なマナーです。子ども扱いしたような内容のレクリエーションや振る舞いはプライドを傷つけるおそれがありますので注意しましょう。
安全に配慮する
レクリエーションで優先されるのは、参加者の安全です。針やハサミなどを使うときや、体を動かすときは特に目を離さず、ケガや事故がないような運営を徹底する必要があります。
本人の意思を尊重する
参加を促す声はかけても、「やりたくない」という場合は無理強いせず、本人の意思を尊重しましょう。思うような結果が出ないと、プライドが傷ついてしまい、レクリエーションの場から遠ざかってしまうこともあります。
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レクリエーションで高齢者の生き生きライフをサポート!
レクリエーションは、高齢者にとって「コミュニケーションの促進」「脳の活性化」「身体機能の向上」「生活の質を高める」という役割を担っています。今回ご紹介したレクリエーションは、特別な道具を使わずに実施できるものばかり。介護施設で仲間と楽しむのはもちろん、自宅でも取り組んでみてください。
※本記事の内容は、公的機関の掲出物ではありません。記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の情報を保証するものではございません。