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特別養護老人ホーム(特養)にかかる費用の目安と軽減制度

介護サービスを利用するうえで、多くの方がお金の問題でお悩みを抱えています。そんなときは、入居一時金などの初期費用が不要で、かつ月額費用の金額も低い「特別養護老人ホーム(特養)」を利用できると安心です。

ここでは、特別養護老人ホームの費用の目安や、軽減制度について解説します。また、特養以外の民間施設で初期費用の負担を抑える方法についてもお伝えするため、ぜひ参考にしてみてください。

特養にかかる費用イメージ1

特別養護老人ホームの利用にかかる費用の仕組み

一般的に、民間の介護施設と比べて費用を抑えやすいといわれる「特別養護老人ホーム(特養)」。ここでは、そんな特別養護老人ホームの料金の仕組みや、金額の目安について解説します。

そもそも特別養護老人ホームとは?

「特別養護老人ホーム」とは、自宅以外での介護を必要とする高齢者が、入居条件を満たした場合に介護サービスを受けながら暮らせる公的な施設です。「特養」と略されます。居室には、「多床室」「従来型個室」「ユニット型個室」「ユニット型個室的多床室」などの種類があり、それぞれ入所者の個室や共有スペースの有無に違いがあります。

特別養護老人ホームの費用の特徴

特別養護老人ホームへの入居時には、入居一時金(前払金)などの初期費用が不要です。月々の月額利用料のみを支払う仕組みのため、入居者の金銭的な負担を抑えられます。それに対して、民間運営の有料老人ホームへ入居するには、入居一時金の前払いを求められる場合があります。一般的に、公的施設は民間施設よりも費用相場が低く設定され、入居費用や月額費用の負担を抑えられるのが特徴です。

特別養護老人ホームの費用の目安

特別養護老人ホームの費用を、項目別に確認してみましょう。

食費の自己負担額は1日あたり1,392円のため、1カ月(30日)で41,760円です。2021年8月からは、1日あたり1,445円に改定となるため、1カ月あたり43,350円となります。

居住費(家賃)の負担限度額は、居室のタイプと入居者の要介護度によって異なります。以下の表で確認してみましょう。

・多床室の居住費
「多床室」とは、複数名の利用者が1室に入居する相部屋タイプの居室です。1日あたり、1カ月(30日)あたりの居住費は以下の金額となります。

要介護度 1日あたりの居住費 1カ月あたりの居住費
要介護1 573円 17,190円
要介護2 641円 19,230円
要介護3 712円 21,360円
要介護4 780円 23,400円
要介護5 847円 25,410円

・従来型個室の居住費
「従来型個室」とは、1名の利用者が個室に入居するタイプの居室です。1日あたり、1カ月(30日)あたりの居住費は、多床室と同様の金額となっています。

要介護度 1日あたりの居住費 1カ月あたりの居住費
要介護1 573円 17,190円
要介護2 641円 19,230円
要介護3 712円 21,360円
要介護4 780円 23,400円
要介護5 847円 25,410円

・ユニット型個室の居住費
「ユニット型個室」とは、1名の利用者が個室に入居し、かつ複数の個室から成るユニットごとに共有スペースが配置されたタイプの居室です。1日あたり、1カ月(30日)あたりの居住費は、多床室や従来型個室よりも金額が高くなります。

要介護度 1日あたりの居住費 1カ月あたりの居住費
要介護1 652円 19,560円
要介護2 720円 21,600円
要介護3 793円 23,790円
要介護4 862円 25,860円
要介護5 929円 27,870円

・ユニット型個室的多床室の居住費
「ユニット型個室的多床室」とは、複数名の利用者が仕切りのある相部屋に入居し、かつ共有スペースが配置されたタイプの居室です。1日あたり、1カ月(30日)あたりの居住費は、ユニット型個室と同様の金額となっています。

要介護度 1日あたりの居住費 1カ月あたりの居住費
要介護1 652円 19,560円
要介護2 720円 21,600円
要介護3 793円 23,790円
要介護4 862円 25,860円
要介護5 929円 27,870円

(注)上記の自己負担額は、2021年4月現在、介護保険の負担が1割、介護報酬1単位=10円の地域という条件で、1カ月を30日として算出したものです。

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特別養護老人ホームの費用が軽減される制度

特別養護老人ホーム(特養)に入居する場合、利用料金を軽減できる便利な制度があります。条件に合う方は検討してはいかがでしょうか。利用者の負担を抑える各種制度をご紹介します。

介護保険負担限度額認定制度

特別養護老人ホームの居住費・食費の減額を受けられる制度です。本人および配偶者が市民税非課税であること、資産が単身1,000万円・夫婦2,000万円を超えていないことが控除の利用条件となります。負担額は、所得(年収)に応じて第1段階~第4段階に分かれています。

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度

介護保険サービスを提供する施設により、費用負担を軽減してもらえる制度です。特別養護老人ホームも対象となります。年間収入や預貯金が一定以下であることや、活用できる資産がないこと、扶養されていないこと、介護保険料の滞納がないことなどが利用条件です。

高額介護サービス費支給制度

対象者の月々の介護サービスの利用額が上限額を超えた場合、払い戻しを受けられる助成制度です。市町村民税の課税世帯のケースでは、世帯で44,400円が上限額となります。要支援1以上の認定を受けていることが受給の利用条件です。

高額医療・高額介護合算療養費制度

1年間の医療保険と介護保険の自己負担額を合計して、医療費・介護費が上限額を超えた場合に払い戻しを受けられる制度です。世帯ごとの所得により、それぞれ上限額が異なります。市区町村へ申請を行い、「自己負担額証明書」を医療保険者に提出すると、計算のうえ高額医療合算介護サービス費が支給される仕組みです。

※控除の詳細については各専門機関(税務所など)でご確認ください。

特別養護老人ホームの費用が加算されるケース

特別養護老人ホーム(特養)は基本的に金額面での負担を抑えやすいものの、なかには費用が加算されるケースもあります。ここでは、加算される可能性がある費用や、それぞれの条件について解説します。

加算対象となる介護サービスを利用したとき

・看取り介護加算
医師により回復の見込みがないと判断され、利用者や遺族の同意のもと、施設で看取りが行われた場合に加算される費用です。施設側で医師・看護師・介護職員などの専門家が連携する体制を整える必要があるため、加算が行われます。

・個別機能訓練加算
専門家がリハビリテーションを行う施設で加算される費用です。施設には理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが配置されます。

・日常生活継続支援加算
要介護度の重い人を受け入れる割合が高い施設で加算される費用です。施設において、要介護度4~5の人が新規の入居者の7割以上であることなどが条件となります。

・夜勤職員配置加算
夜間に一定以上の職員を配置する施設で加算される費用です。基準より多くの職員を夜間に配置することや、看護師またはたん吸引などができる介護職員を配置することなどが条件となります。

介護保険の適用外の費用がかかったとき

場合によっては、介護保険が適用されず、全額が自己負担となるサービスもあります。こうした自己負担となる費用の例として挙げられるのは、入居中の食事代やおむつ代のほか、日常生活費・レクリエーションの実費・交通費などです。日常生活費の具体的な内訳には、化粧品・石けん・歯ブラシなど身の回り品の費用、趣味の費用、クリーニング代などが含まれます。

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特別養護老人ホームに入居できないときの対処法

ここまで、特別養護老人ホーム(特養)の費用についてお伝えしました。特養は費用を抑えやすいため人気が高く、入居待ちとなるケースも少なくありません。もしも入居が困難なら、どのように対処するべきでしょうか。考えられる対策をご紹介します。

管轄の地域包括支援センターに相談する

地域包括支援センターには、介護施設の情報が集まっています。窓口で相談すれば、入居可能な施設や、希望に適した介護サービスなどを提案してもらえるのがメリットです。希望する施設への入居が困難なとき、ケアマネジャーや社会福祉士など介護の専門家からアドバイスを受けられます。

条件を広げて特別養護老人ホームを探す

・探す地域を広げる
特別養護老人ホームの待機者数は、地域や施設によって異なります。都市部などで特養の需要が多い場合には、近隣地域に待機者の少ない施設がないか確認してみるのも一つの手です。ただし、施設を探す際には、地元の人だけが入居できる地域密着型特養があることに留意しましょう。

・ユニット型の居室を持つ特別養護老人ホームを狙う
ユニット型の居室は、居住費がほかの居室と比べて高いため、空室になる場合があります。施設によって採用している居室のタイプが異なるので、ユニット型に着目して特養を探してみましょう。

特別養護老人ホーム以外の介護サービス・施設の利用を検討する

・短期入所生活介護(ショートステイ)
「短期入所生活介護(ショートステイ)」は、一時的に施設に宿泊して介護サービスを受ける方法です。介護保険を利用する場合、連続で利用可能な日数は原則30日間までとなります。あくまで一時的な利用が前提ですが、介護者が体調不良のときや、外泊や旅行といったレスパイトケアに活用可能です。レスパイトケアとは、介護者である家族が一時的に介護から解放されて休息を取ることを指し、無理なく介護を続けていくうえで重視されています。たとえ短期間でも利用を検討してみましょう。

・有料老人ホーム
特別養護老人ホームのほかに、民間運営の介護施設である「有料老人ホーム」に入居する選択肢もあります。一般的に、有料老人ホームでは入居一時金の支払いが発生するため、特養と比べて初期費用が高額な傾向にあります。そのため、各施設の料金プランに注目して選ぶのがおすすめです。たとえば、介護付き有料老人ホームの「イリーゼ」では、全施設に入居金0円プランが用意されています。特養と同様に初期費用の負担を抑えるなら、ぜひ「イリーゼ」をご検討ください。

1.受付・見学
まずは、お電話またはホームページからお問い合わせください。資料請求や見学のご案内をいたします。

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ご入居をご検討いただけましたら、お申込みまたは仮押さえへと進みます。ご契約が成立するまでは、途中解約も可能でございます。

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当社書式の「健康診断書」「入居申込書兼個人情報使用同意書」、医療機関書式の「診療情報提供書」など、必要書類をご用意いただきます。

4.入居前の面談
契約内容、重要事項、管理規定などについて、十分にご説明いたします。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

5.契約・入金
内容にご納得いただけましたら、契約書にご署名とご捺印をいただきます。ご入居までに指定の口座へ入居金をお振り込みください。

6.入居
介護スタッフが万全の体制を整えて、ご入居をお待ちしております。お体の不自由な方は、お迎えサービスをご利用いただけますので、お気軽にお申し付けください。

初期費用の負担を抑えて入居できる有料老人ホームもある!

今回は、特別養護老人ホーム(特養)の費用についてお伝えしました。公的な介護施設である特養では、入居一時金の支払いが不要で、かつ月額費用の金額も低い傾向にあります。その反面、多くの方が入居を希望し、待機期間が生じてしまうことも珍しくありません。ご紹介した対処法で、介護を必要とする方へ適切な方法をご検討ください。その際は、初期費用を抑えられるプランを利用しながら、民間施設である有料老人ホームへの入居も選択肢の一つに含めてはいかがでしょうか。

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