特別養護老人ホームの入所条件|できるだけ早く施設に入る方法は?
ご家族の在宅介護が難しいとき、介護のプロに任せるという選択肢もあります。そんななか、公的な施設である「特別養護老人ホーム(特養)」は、比較的低額で利用でき、長期間の入居にも対応できるのが魅力です。その一方で、入所するためには要介護度などの条件があり、人気の施設では待機期間が長くなるおそれも。そこで今回は、特養の入所条件や、できるだけ早く入所する方法についてお伝えします。
目次
そもそも特別養護老人ホームとは?
特別養護老人ホーム(特養)とは、どのような目的で利用する介護施設なのでしょうか。まずは、特養の特徴やほかの高齢者向け福祉施設との違いについてお伝えします。
特別養護老人ホームの特徴
特別養護老人ホーム(特養)とは、要介護状態の高齢者が自宅で介護を受けるのが難しい場合に、入居して生活を送るための施設です。社会福祉法人や地方自治体によって運営されています。特養では、介護保険適用の介護サービスを受けられます。居室のタイプは、相部屋の多床室に入居する「従来型個室」と、個室または準個室に入居する「ユニット型個室」の主に2種類です。ただし、2002年度からユニット型の制度化が始まり、一人ひとりの入所者のプライバシーを守り、個性に寄り添ったケアが重視されるようになりました。施設には介護スタッフが常駐しているため、安心して暮らしやすいといえます。
ほかの高齢者向け施設との違い
・養護老人ホーム
養護老人ホームは、生活環境や経済状況などの問題を抱えている65歳以上の高齢者を養護し、社会復帰させるための施設です。身寄りがない方、経済的に困窮している方、家族から虐待を受けている方などが入居対象となります。一方で、養護老人ホームは身体的な自立が要件のため、特養とは異なり施設の職員から介護保険適用の介護サービスを受けることができません。入居者は、介護保険適用外の生活支援サービスを利用します。
・介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設(老健)は、要介護状態の高齢者を自宅での暮らしに復帰させるための、公的な施設です。施設では医師の指示のもとで介護や看護が行われます。医師・看護師・介護スタッフのほか、理学療法士や作業療法士といったリハビリテーションの専門家が配置されているのが特徴です。老健はあくまで在宅復帰が目的のため、入居できる期間は数カ月程度となります。この点が、終身で利用できる特養との大きな違いです。
・介護医療院
介護医療院は、医療および介護の必要性がある高齢者へ、医療的サービスと介護サービスの両方を提供する施設です。施設には医師・看護師・介護スタッフなどが配置されています。医療の必要性が高い方が入居し、看取りや終末期医療にも対応できるのが特徴です。介護医療院は、長期的な入居が可能な点では特養と共通しています。その一方で、介護サービスだけでなく高度な医療行為を必要とする高齢者を受け入れできる点で、特養と異なっています。
・有料老人ホーム
有料老人ホームは、民間で運営される介護施設です。特養と同じく介護サービスを提供する施設ですが、運営者や入所条件などに違いがあります。有料老人ホームの入所条件は、施設ごとに異なります。施設によっては、要介護度が「要支援1~2」の方や「要介護1~5」の方も入所可能です。それに対して、特養に入所できるのは原則として要介護3以上の方となります。条件について詳しくは後述しますが、公的な施設である特養は、主に要介護度が高い人が対象者となるのが特徴です。
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が生活支援サービスを利用しながら暮らす賃貸住宅です。要介護度が低い人向けの「一般型」と、施設の職員から介護サービスを受けられる「介護型」の種類があります。施設ではスタッフによる安否確認や生活相談など、高齢者が安全に暮らすためのサポート体制が用意されています。ただし、一般型では食事や家事をサポートする生活支援や、入浴や排泄の介護サービスが必要なとき、外部サービスを利用しなければなりません。この点が特養との違いといえます。
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特別養護老人ホームの2つの入所条件
特別養護老人ホーム(特養)へ入所するには、原則として2つの条件を満たす必要があります。ただし、施設によって受け入れ可否の基準が異なる場合があるため、入所を希望する施設に相談のうえで検討すると良いでしょう。ここでは、特養の入所条件について解説します。
条件(1):要介護度が高い人
特養に入所できるのは、まず以下の3つのうちいずれかの要件に該当する方です。
・要介護3以上で65歳以上の高齢者
こちらは、介護保険の第1号被保険者にあたる要件です。要介護認定の申請は、最寄りの役所・地域包括支援センター・居宅介護支援事業所などで行います。地域によっても異なりますが、申請から認定まで約1カ月がかかることに注意しましょう。
・特定疾病を患う40~64歳で要介護3以上の人
こちらは、介護保険の第2号被保険者にあたる要件です。16種類ある特定疾病のうち、いずれかがあると認定されている方が対象となります。末期のがん・関節リウマチ・筋萎縮性側索硬化症(ALS)などが特定疾病の一例です。
・特例で認められた要介護1~2の人
上記以外にも、以下のいずれかの条件に当てはまる人は、要介護1~2でも特例として特養に入所できる可能性があります。
*日常生活に支障をきたす症状や行動が見られる場合
*意思疎通をできない状況が頻繁に起こる場合
*家族などによる深刻な虐待が疑われる場合
*単身世帯もしくは同居家族による支援が難しい場合
認知症や知的障害をともなうケースも上記に含まれます。原則として要介護3以上が要件ですが、状況次第では要介護1~2でも入所可能とみなされる可能性があります。
条件(2):条件(1)を満たしたうえで、特養での生活に支障がない人
1つ目の条件を満たしている方でも、特養での生活に支障をきたすことが想定される入所者は、施設から受け入れを拒否されるおそれがあります。受け入れ拒否となる例は、感染症を持っている人、暴力行為を行う傾向にある人、24時間体制で医療行為を受ける必要がある人などです。ただし、受け入れ可否の基準は施設によって異なります。特定の施設で受け入れを拒否されても、別の施設では入所できるケースもあります。
特別養護老人ホームに早く入所する方法は?
特別養護老人ホーム(特養)は、入居一時金が不要で月額費用が低額なことから、人気が高い傾向にあります。場合によっては、待機者が多いためなかなか居室を確保できず、空室が出るまで待機しなければならないことも。できるだけ早く入所するために、以下のポイントを確認してみましょう。
優先条件が整い次第、待機中の特養に連絡する
特養へ入所する順番は、申し込み順で決まる以外に、緊急性の高さで優先されるケースもあります。要介護度が重くなって「要介護4~5」になった方や、家族等に介護者がいなくなった方は、早急な措置が必要として優先となるかもしれません。待機期間に優先条件が整ったら、施設へ連絡を入れてみましょう。
対象地域を拡大する
施設の所在地域に住んでいる人だけが申し込める「地域密着型特養」以外の特養であれば、どの地域にある施設でも入居可能です。 待機者の数は地域によって差があるので、可能であれば対象地域を拡大して施設を探す選択肢もあります。別の地域に待機者の少ない施設があれば、早めに入所できる可能性もあります。近隣地域まで視野を広げてみましょう。
ユニット型の居室を持つ特養を狙って申請する
特養のなかでも、ユニット型は比較的費用が高い傾向にあり、空室になりやすいといえます。ユニット型の居室は個室で、複数の個室単位(ユニット)で介護スタッフが配置されるのが特徴です。プライバシー保護と細やかな介護ケアを両立させやすいため、選択肢に含めてはいかがでしょうか。
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老人ホームは「イリーゼ」がおすすめ。特養同様、初期費用は不要
入居までに時間がかかりやすいのは、特別養護老人ホーム(特養)のデメリットです。もしも特養の入居を待機することになったら、入居金0円の有料老人ホームも併せて検討してみましょう。最後に、初期費用を抑えやすい「イリーゼ」の魅力や、入居までの流れをご紹介します。
イリーゼとは?
有料老人ホームの「イリーゼ」は、全施設に入居金0円プランが用意されています。特養と同じように、初期費用の負担を抑えられるのがメリットです。建物の自社開発費用を削減することで、民間施設でありながら安心の料金プランを実現しました。施設には介護スタッフが常駐し、入居者様の日常生活をしっかりとサポートいたします。入居時の費用負担を抑えられる有料老人ホームをお探しなら、ぜひ「イリーゼ」をご検討ください。
※職員体制に関しては施設によって異なります。詳しくは各施設ページをご覧ください。
入居の流れ
1.受付・見学
まずは、お電話またはホームページからお問い合わせください。資料請求や見学のご案内をいたします。
2.申込み
ご入居をご検討いただけましたら、お申込みまたは仮押さえへと進みます。ご契約が成立するまでは、途中解約も可能でございます。
3.必要書類の提出
当社書式の「健康診断書」「入居申込書兼個人情報使用同意書」、医療機関書式の「診療情報提供書」など、必要書類をご用意いただきます。
4.入居前の面談
契約内容、重要事項、管理規定などについて、十分にご説明いたします。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
5.契約・入金
内容にご納得いただけましたら、契約書にご署名とご捺印をいただきます。ご入居までに指定の口座へ入居金をお振り込みください。
6.入居
介護スタッフが万全の体制を整えて、ご入居をお待ちしております。お体の不自由な方は、お迎えサービスをご利用いただけますので、お気軽にお申し付けください。
特別養護老人ホームの待機者が多い場合に備えておきましょう
今回は、特別養護老人ホーム(特養)の入所条件や、できるだけ早く入所する方法をお伝えしました。特養は初期費用の負担が少ないことから人気が高く、地域や施設によってはすでに多数の待機者がいる場合もあります。入所を希望するなら、ご紹介した方法を参考にしながら、待機期間に備えておきましょう。その際は、入居金0円プランを提供している「イリーゼ」をはじめとした、初期費用を抑えやすい有料老人ホームも併せてご検討ください。
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※本記事の内容は、公的機関の掲出物ではありません。記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の情報を保証するものではございません。