ケアマネジャーの選び方|確認項目・変更方法・上手に付き合うコツ
ケアマネジャーは、要介護者とその家族の介護生活をマネジメントしてくれる存在です。
介護や福祉などの豊富な知識と経験を活かし、介護される本人と家族の希望を汲み取ったケアプランを作成します。
「きちんとケアプランどおりに進められているか?」「被介護者や家族が無理を感じるケアプランになっていないか?」などを確認しながら、状況の変化に応じたケアプランを作るのがケアマネジャーの仕事です。
そのため、相談しやすくて信頼のおけるケアマネジャーを選ぶことが、介護をしていく上では欠かせません。
この記事では、これから介護を始める人のために、信頼できるケアマネジャーの探し方と付き合い方をご紹介します。
目次
ケアマネジャーの選び方1:経歴や資格をチェックする
ケアマネジャーにはどんな人がなれるのかを考えると、選び方の一つ目のコツがわかります。
自分たちにとって助けとなるケアマネジャーの経歴や資格を考えましょう。
ケアマネジャーとはこんな人
正式には「介護支援専門員」といわれる職業で、要介護認定を受けた人が適切な介護保険サービスを受けられるように支援する役割を担います。
ケアマネジャーの仕事内容は大きく分けて二つあります。
要介護者やその家族と話し合い、必要な介護保険サービスを利用できるように「ケアプラン」を作成することと、ケアプラン通りに介護生活を送れるようにサービス事業者との調整を行うことです。
ケアマネジャーの仕事には、介護や看護に関する豊富な知識と経験が必須です。
そのため、ケアマネジャーになるには試験に合格して研修を受け、「介護支援専門員」の資格を取得する必要があります。
試験の受験資格を簡単にまとめると、以下の通りです。
・医師、看護師、介護福祉士、理学療法士、社会福祉士などの国家資格を持ち、従事している期間が通算して5年以上ある人。また、それに当たる業務に900日以上従事している人。
・生活相談員、支援相談員、相談支援専門員などの相談援助業務に従事している期間が、通算して5年以上ある人。また、それに当たる業務に900日以上従事している人。
・介護業務に5~10年以上従事している人(ただし、平成30年度以降は受験不可)。
受験資格を見るとわかるように、ケアマネジャーとは、元々「保健」「福祉」「医療」の分野におけるスペシャリストとして豊富な知識と経験を持っている人たちなのです。
ケアマネジャーの得意分野を知ることが重要
在宅介護を行う場合は、まず地域包括支援センターや市区町村の介護保険課などで事業所リストをもらい、事業所に連絡して所属するケアマネジャーと面談します。
どの分野で実務経験があるのかにもよってケアマネジャーの得意分野が異なり、その違いが選ぶ際のポイントとなります。
例えば、要介護度が高く身の回りの世話が必要な場合は、訪問介護や在宅介護経験の長い人が適しているでしょう。
持病がある場合には、看護師の資格を持っているケアマネジャーのほうが、最適なプランの提案や医療施設との連携に安心感があります。
介護生活の中で何をカバーしてほしいのか、ケアマネジャーに求めることを考えて、ケアプランに反映できるようにするのが大切です。
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ケアマネジャーの選び方2:相談のしやすさをチェックする
ケアプランを作成する際は、被介護者と家族の希望や事情を汲み取ってもらう必要があります。そのため、ケアマネジャーが相談しやすい人かどうかも大切なチェックポイントです。
こちらの話をきちんと聞いてくれるかどうか
適切なケアプランを作るには、被介護者の事情や介護する家族の状況と希望をしっかり汲み取って反映してもらうことが大切です。
そのため、ケアマネジャーは単にケアプランに対する希望を聞くだけでなく、どうしてそのような希望が出てきたのか、背景を分析して根本的な問題の解消を考えられる必要があります。
介護や福祉の知識が豊富なだけでなく、コミュニケーション能力とヒアリング能力もある人を選びましょう。
対応が早いかどうか
利用者の質問や依頼に対して、ケアマネジャーが素早く対応してくれるかどうかもチェックポイントの一つです。
質問や依頼に関する回答が遅いと、利用者はケアマネジャーが対応してくれるまで疑問や不安を抱え続けることになります。
もちろん、質問や依頼の内容によってはすぐに対応できないことがあるかもしれません。そうした場合は「◯日までに」と期日を設けてくれるかどうかを見てみましょう。
どのように見極めたら良いのかわからない場合は、初回の面談のときに簡単な頼みごとをしてみてください。対応の様子を見て判断しましょう。
疑問点に対する明確な回答があるかどうか
利用者の疑問点をわかりやすい言葉で説明してくれるのはもちろんのこと、配慮しきれない部分も汲み取って教えてくれるような対応がケアマネジャーには必要です。
質問されたことに回答するだけ、専門用語を並べ立てるだけの人は避けましょう。
また、利用者の疑問点に明確に答えず、うやむやのままにするということは、介護サービスや介護保険に関するケアマネジャー自身の知識が不足している可能性も考えられます。
ケアマネジャーの選び方3:フットワークの軽さをチェックする
被介護者とその家族、サービス事業者など、多くの人が関わる介護では、緊急時や問題が発生したときに迅速な対応が求められます。
居住地や勤務地が自宅から近いかどうか
ケアマネジャーの所属する事業所や居住地が被介護者の自宅から遠いと、緊急時にすぐに対応してもらえないおそれがあります。
緊急のショートステイが必要になったときなど、受け入れ可能な施設を探すのに地域の情報やネットワークが必要になることもあるでしょう。
また、介護保険は保険料の基準額などに地域差があり、申請方法にも違いがあります。
素早く対応してもらうためにも、自宅のある地域と同一市区町村の事業所に所属するケアマネジャーを選ぶのがベストです。
問題が発生したときの素早い対応が重要
介護はいつも作成したケアプラン通りに進められるとは限りません。
実際に介護サービスを利用し始めると、急いで相談したいことが出てきたり、被介護者の体調や家族の都合などで急な変更が必要になったりすることもあるでしょう。
そうした場合に柔軟に対応をしてくれる、フットワークの軽いケアマネジャーが理想的です。
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ケアマネジャーを変更する方法
長く付き合う関係だからこそ、ケアマネジャーとは相性も大切です。
どうしても相性が合わないときは、ケアマネジャーの変更を検討しましょう。
ケアマネジャーはいつでも変更可能
ケアマネジャーとのやりとりでは「電話連絡ばかりで訪問が少ない」「希望通りのプランを作成してくれない」といった実務上の不満だけでなく、「話し方や態度が冷たい」といった人柄の問題がストレスにつながることもあります。
また、優秀なケアマネジャーでも、専門分野が違っていれば合わないと感じることがあるでしょう。「優秀なケアマネジャー=自分たちにも適している」とは限らないのです。
ケアマネジャーとの相性は介護のストレスにも影響するので、合わないと感じたら無理をして付き合い続ける必要はありません。
関係をこじらせたり問題に発展したりする前に、手順を踏んでケアマネジャーを変更しましょう。
三つの変更方法
ケアマネジャーの主な変更方法は次の通りです。
・ケアマネジャー本人、または所属する居宅介護支援事業所に変更を依頼する。
・利用している居宅介護支援事業所とは別の事業所に相談する。
・地域包括支援センターや市区町村の窓口に変更の相談をする。
変更を申し入れる際には、変更を希望する理由やサービスに関する要望を必ず伝えましょう。
変更の動機となった事柄がケアマネジャーの所属する事業所の方針であったり、事業所側でケアマネジャーの対応を把握していながら問題視していなかったりする場合は、事業所自体の変更をおすすめします。
なお、事業所やケアマネジャーを変更しても、受けている介護サービスは継続が可能です。介護保険や介護サービスについての状況は事業所間で引き継がれますので、一からすべてを考え直すような手間はありません。
ケアマネジャーと上手に付き合うコツ
ケアマネジャーに良い仕事をしてもらうには、利用者側の協力も必要です。
些細なことでも不安や疑問になっている点は解消し、ケアマネジャーに十分な情報を提供しましょう。
わからないことがあったら何でも質問する
ケアマネジャーと付き合っていく上では、些細なことでも疑問点や不明点をなくしていきましょう。
介護の悩みやケアプランに対する希望を詳細に伝えるためには、知っていること、わからないことをケアマネジャーに把握してもらうのも大切です。
また、些細な疑問点・不安点もしっかり解消してくれるかどうかによって、ケアマネジャーの対応力や専門知識の有無を判断することができます。
被介護者の現状をできる限り詳しく伝える
被介護者の状態を細かく把握してもらうために、伝えておいたほうがいいことがある場合は面談日以外でもこまめに連絡しましょう。
ケアプランは要介護者だけでなく、世話をする家族にも関係することなので、家族のニーズや希望をなるべく詳細に伝えるのも、ケアマネジャーとうまく連携をとるためのポイントです。
介護に直接関係ないと思えることでも、気になることは話しておきましょう。
また、介護はお金がかかるものなので、金銭的な要望もしっかりと伝えておく必要があります。
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ケアマネジャーは介護生活の大切なパートナー
ケアマネジャーは要介護者とその家族を支える、介護生活のパートナーです。
「ケアプランを作成し、介護サービス事業者との調整を行う」というのが主な役割ですが、ケアマネジャーを頼る上での大きな意義は、要介護者とその家族が疲弊しないように助けてもらうことにあります。
家族だけで介護をしていると、どうしても思いつめてしまいがちです。
ケアマネジャーはケアプランの作成を通して、介護には頼れる制度やサービスがたくさんあることを教えてくれます。
自分の家族にとって必要なケアマネジャーがどんな人物かを考え、相談しやすく、フットワークの軽い人を選ぶようにしましょう。
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